人が生きる仕組みと死ぬ仕組み
人が生きる為には何が必要か?
最高のパートナー、愛、お金…
とかではなく
生物として私たちは外部から色々な物を取り込んで生きています。
では、人が生きるのに必要な要素を3つあげるとしたら…?
人間、食べなくてもすぐには死にません。
水だって、よっぽどの悪条件でなければ、2~3時間水分を摂取しなくても死にません。
ただ、酸素だけは途絶えてしまうと人は分単位で死んでしまいます。
酸素だけは、体にストックできないからです。
私たちの細胞は生きていく為に酸素を取り続けなくてはいけない。
細胞が死ねば、それらで構成する臓器が死に、ついには私たちも死んでしまいます。
人が目の前で急激に命を失うとしたら、その過程には必ず酸素が絡んでいます。
では、酸素の流れを追ってみましょう。
酸素はどこからやってくるのか?
酸素は鼻や口から吸いこまれ、空気の通り道である気道から肺に入ります。
気道は1本道なので、ここが詰まると酸素を取り入れることができません。
生命の緊急事態です。
肺に入った酸素は、血液中に取り込まれますが、肺炎などで肺の機能に障害があり悪化すれば酸素不足によって、やがて生命危機に陥ります。
気道や肺に異常が無くても、血液に取り込まれた酸素を大切な臓器に届けられなければ(循環できなければ)やはり体は酸素不足に陥り、生命危機に至るでしょう。
呼吸を司る脳に問題があれば、やはり生命維持ができません。
人の心身を司る脳は、常に大量の酸素を必要としています。
体で消費する酸素の3割近くは脳で消費されています。
そのため、酸素の供給がなくなると十数秒で意識を失い、さらに3~4分程度で脳細胞は死んでいきます。
脳や心臓は不可逆的で、一度ダメージを受けた細胞が元に戻ることはありません。
このように、体は常に酸素を必要としているにも関わらず、何かしらの原因で酸素供給が滞る事で生命危機に陥ってしまいます。
以上の事を知ると、予期せぬ緊急事態に遭遇した時に、目に飛び込んできた出血や外傷などから対処する方法ではなく、
優先度が高い順番に観察や介入をしていく事が出来るようになります。
よって、それらは命を救うことに繋がります。