自信を持ってBLSできますか?

【自信を持ってBLSできますか?】

皆さんはBLSを自信持ってできますか?できていますか?
医療従事者の皆さんは各学生時代にBLSは学ばれご卒業されていることと思います。
しかし、実際に自信を持ってできるか?
と問われるといかがでしょうか?

成人BLSだけでなく、小児や乳児に対してはどうですか?

自分は学生時代も病院勤務時代も小児や乳児のBLS訓練を受けた覚えがなく、コースを受講される方に伺っても、現時点では同様のご回答です。
学校でしっかり知識と技術を習得し、自信を持った状態で現場に配属されましたか?

臨床では、新人であってもベテランであっても、医療従事者としての対応が求められます。

一般的な業務を覚えることも必要ですが、緊急時、最悪の事態に迅速かつ適切に対応できる術も身に付けておくべきと考えます。

【日本のBLS教育】

米国では、州にもよりますが、AHAコースは臨床現場に出る前に習得すべき内容のコースとして位置づけられています。
医学生や看護学生は病院で実習するためには必要な資格な訳です。
もちろん、既に働かれている職員も2年おきの更新をしないと免停となります。

BLSの運動スキルは数カ月で低下することが明らかになっていますし、内容も変化しアップデートされています。
当たり前と言えば当たり前ですが、その当たり前が何故か日本では軽視されている気がしてなりません。

病院によっては毎年BLS研修が開催されているかもしれませんが、所要時間や内容に関しては特に規定はなく、各病院によってゴールは違います。
勿論、BLS研修自体行われていない病院やクリニックもあるかもしれません。

例えば、命を預かる専門職の1つにCAさんもあげられますが、「事故の対応をしたことがないので出来ません」ではなく、
事故が起きた時にプロとして対応できるように厳しい訓練をされると聞きます。
今までそういう現場に出くわしたことがないからしなくて良いわけではなく、
習っていないからやらなくても良いわけでもありません。

BLSは命を救うための基本的なスキルであり、医療従事者にとっては必要不可欠なものです。
不測の事態に冷静かつ迅速に対応するためには、常に最新の情報と技術を習得し続けることが重要と考えます。

プロとして責任を持って働きたい。
しっかり学び直したいと思われた方から自主的に受講されている方が多い印象です。

AHAのBLSプロバイダーコースは、小児・乳児の救命処置も標準で含む日本で唯一の医療従事者レベルのプロ向け救命講習です。

【院内での7~8割の心停止は防ぎ得たもの】

BLS札幌について②【PEARS® プロバイダーコース】にも記載しましたが、院内心停止の約8割がVFや脈なしVT以外であるというデータがあります。
院内心停止の約8割がAEDを使用した時に「ショック不要」とアナウンスされるということです。

しかし、それらに対応した研修がされているのか?というと疑問に感じます。
現状は院外心停止のエビデンスに基づき院外心停止設定で行われていることが否めません。
院内の心停止の8割が無脈性電気活動(PEA)や心静止(Asystole)。

さて、この【PEA】という言葉や定義を知っていても、実際に臨床と結びつけられているかというといかがでしょうか?

バイタル測定ができ、数値を記録・報告することはできても、
いま目の前の患者さんに何が起きていて、どういう状態にあるのか?
今後どのような経過が予測されるか?
それらを立体的にアセスメントできているかというと、いかがでしょうか?

私は学生時代にそのような教育を受けてこなかった気がします。
実習とテスト勉強に追われ、勉強といっても、国家試験対策としての暗記が主でした。
ベッドメーキングのテストはあっても、BLSのテストで必死になって勉強、訓練した記憶がありません。

【BLS札幌のおもい】

色々と好き勝手に書かせていただきましたが、日進月歩の医療、次々に新しいことが入ってきます。
人手不足で業務に追われ、やらなきゃいけないことが盛りだくさん。
「こうあるべき」「こうしなくては」はもちろん分かっているけれど、そんな正論が聞きたい訳でもないだろうな、と。
それこそ「言うは易く行うは難し」も承知しております。

医療従事者って結構精神的にも、肉体的にもハードなお仕事ですよね?

ただ、自分や自分の大切な家族が何かあった時、絶対に自分が働く病院や施設に入院したい、入院させたい!!
そう強く思える方ってどのくらいいらっしゃるのだろう?と思ってみたり…。
自分がもっと早くこの知識を得ていたら…?技術を習得できていたら…。
そう後悔することもあったので、色々と綴らせていただきました。

各個人どうこうではなく、教育やシステムに問題があるとは思っています。
とはいえ、現状が現状なので、各個人が今出来る範囲で出来ることをすることも大切だと思っています。

もちろん、何より自分の心身が健全であることが最優先です。
自己犠牲の上ではどんなこともうまくいきません。
その上で、人の命・人生に携わる一専門職として、一緒に勉強していけたらなと思っております。

● 札幌で アメリカ心臓協会 AHA 救命処置トレーニング講習を開催 BLS札幌

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