BLS札幌について①【BLSプロバイダーコース】
AHAの同じ資格を発行するにしても、主催する団体により特色があるため、今回はBLS札幌のAHA-BLSプロバイダーコースの特徴について書かせていただきます。
【BLS札幌が考えるAHA-BLSコースの特徴と注意点】
AHA-BLSプロバイダーコースを受講された方ならご存知だと思いますが、ビデオベースの学習コースとなっています。
AHA-BLSプロバイダーコースでは、知識や技術を提供するインストラクターはビデオであり、誰がインストラクターであっても同じ教育を受ける事ができる仕組みになっています。
ビデオをご覧いただき、実技の練習を実施する。
終了時には一通りの流れが実践できるようになり、乳児から成人に至るまでのCPRのフルサイズを学べるため、相応に満足感のあるコースです。
日本でプロ向けのフルサイズCPRが学べるコースが無いために、AHAのコースを活用している訳ですが、日本とアメリカでは文化的な背景を含め、ガイドライン上でもいくつか違いがあります。
昔はインストラクターが余計な事を言及してはいけないという時期もあったようですが、ここは日本。
アメリカと日本の違いをインストラクターはきちんと把握し、補う必要があると考えます。
【オプションであるシミュレーショントレーニングを実施する意義】
ガイドライン2015年よりAHA-BLSプロバイダーコースでは現場の状況を考えて実際に動ける事を考慮したシミュレーショントレーニングが追加されました。
実際に学んだ知識や技術を駆使し、チームで蘇生していくトレーニングです。
しかし、何故だかガイドライン2020年ではそれらは必須ではなくなり、開催者に委ねられてしまいました。
同じ資格発行なのに、開催団体によって時間が違う事に、お気づきになった方もいらっしゃるかもしれません。
AHA-BLSプロバイダーコースG2020は4時間以内に終了できることになっているからです。
シミュレーションを実施してもしなくても、ビデオのナレーションで知識を得て、1人でCPRの手技ができ実技試験と筆記試験に合格すれば認定カードが発行されます。
どこまでの内容を伝えたいか?受講生のゴールをどこに設定するかでコースの内容や時間は変わってきます。
もちろん、マネキンと受講生の比率でも異なりますが、BLS札幌では省略のないシミュレーションを実施し、ビデオだけでは理解が難しいと思える部分を補足しながらコースを進めております。
何故なら、ビデオを一度視聴しただけでは、その根拠や「何故?」の部分まで落とし込むのは難しいと思うからです。
また、胸骨圧迫や人工呼吸というCPRの手技ができても、実際に現場でスムーズに動けるかは別問題だからです。
CPRができる事というのは、テニスで言えば素振りの練習。
素振りだけで試合に臨む方は、おそらくいないでしょう。
素振りという基礎を獲得し、出来る様になったら練習試合をして本番に臨みますよね?
訓練時の様に「胸を押して下さい」と言わんばかりに傷病者がほぼ裸同然の格好で仰向けで寝ている事はおそらくありません。
受講生の皆さんは臨床の現場で救急対応が出来る様になる為に研修に来て下さる訳です。
それであれば、現場で起き得る様々な事象、実際に遭遇しそうな現場を出来る限り想定してトレーニングをする事に価値があると考えます。
実際にシミュレーショントレーニング後での振返りでは、まさに色々な事に気づかれ、自然に課題が明確になっている印象です。
BLS札幌では、現場に戻った時に少しでも「動ける!」を目標に技術の習得と課題の明確化に重きを置いています。
【実技においては十分な練習量を確保】
例えば、3人に1体のマネキンとなると、同じ時間設定であっても待ち時間がより長くなり、練習量が減ってしまいます。
BLS札幌では、コースの最初から最後まで受講生が1人1体のマネキンで練習する事ができる様、十分な練習量を確保しています。
【少人数制にこだわり、受講生とインストラクターの双方向性ある展開と根拠を大切にした解説】
ビデオを見て分かった気になるのではなく、実際にどこまで伝える事ができているのかを確認させていただきながらコースを進めております。
どうしても一方向になってしまいがちなコースだからこそ、双方向性あるコースを目指し少人数制にこだわっております。
【無料の復習参加をご案内】
講習直後は心肺蘇生のスキルに自信を持つことができても、2年間それらを維持できるかと言えば難しいのが現状です。
心肺蘇生のスキルは、体で覚える運動スキルであり時間と共に衰えていくため、継続的な練習が重要となります。
だからこそBLS札幌では、BLS札幌と提携団体のBLS横浜でBLSプロバイダーコースを受講いただいた方は、修了証の有効期限内であれば何度でも講習に無料でご参加いただける無料のBLS復習参加(再受講) をご案内しています。
会場のスペースの関係上、公募講習において新規受講者の申込が定員に達していない場合に限りますが、空がある場合は正規受講者と同様に最初から最後までご参加いただけます。